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うさんくささと出会いなおす

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松村律子

こどもと共に遊び、イベント企画・実行する仕事をしたのち、2010年より俳優・ダンサーとなり、現在は振付家、歌い手としても活動。
様々な異なる環境、状況で生活するひと同士が、他者そして自身を尊重しいかに個を認め生き合うことについて日々模索中。

イベント日は特になし
展覧会や芸術祭など各所
WEB上で発信

Action内容

「アートに対して感じているうさんくささ」
を払拭したい、もしくは見極めるための自分のためのAction

 

ここ数年すっかりアートと触れる機会から遠ざかってしまった。
ぐるぐると半ば意地になって仕事と育児をやってきた。正解が分からなく常に不安なまま。

そうこうしているうちに、流れてくる情報からだけで、
「なんだか似たような一過性の町おこし的芸術祭多くない?それってほんとに町の人喜んでるの?」
「アートっていろんな側面があってそれみて百人百様の感じ方があってこそ。という雰囲気があるのに、
「一体感!最高!みんな一緒っていいね!なんとなくハッピー!」みたいなの多くない?」
「おしゃれ!エンターテイメント!をアートの売りにしてない?」
と出向いても体験した訳でもなく漠然と勝手に判断しだし、ついにはなぜだか、
「結局アートって、分かるセンスのある人にしか分からない敷居の高さあるわよねぇ。」
まで感じるようになってしまった。これは、完全な「おばさん脳」だ。
遠巻きに見て勝手に判断し傷つかない位置で批判だけする。端的に言って無知。
そんな感覚になってしまってるのに、いけしゃあしゃあと、
「アートは世の中に必要です!誰でも手にすることができるし誰もが発信できる。ダンスなんて下手で恥ずかしくて踊れない?いやいやその動きは今のあなたにしかできない動きだしそれが素敵ですから!」
とか言う側でいられるわけがない。

だけど私はどうしても「アートは。あらゆる芸術は。世の中に必要だしもっともっと必要!ていうかもっと仲良くなりたい!」と思っている。
だからそれを自分の言葉と態度で語れるようになりたい。

【方法】

とにかく、アートに実際触れ、出会い直すことをしてみる。

①展覧会、芸術祭などに直接足を運び、WEB上でレポート発表。
・WEB→https://usankusaiart2018.wixsite.com/mysite
・アート情報カレンダーを作成。(同じWEBサイト上)
(グーグルカレンダーを使用。アカウントを共有してご協力いただける方には協力してもらう。)
・展覧会を選ぶ基準は、以下を念頭に置く。

自分のスケジュール/人からのおすすめ/娘(2018年2月現在2歳半)に選んでもらう(チラシなどから)/先入観を持って敬遠する気持ちになるものを積極的に

・できれば誰かと行く。
②アーティスト(作者)に会える場合は直接話しかけ、何か一つもらう。
(アーティストが不在場合企画者でもよいかもしれない。)
③最終的に100個(100人分)集めた「アーティストのかけら」とレポートを合わせて展示する。

【なぜ?】

・今まで敬遠してきたものに取り組む。
・「思考の癖」を外してみる。
を今回のAction内容を具体化するにあたりキーワードにする。

たとえば、「WEBで発信という誰もが思いつく、オリジナル性に乏しいActionでいいのだろうか」と考えたが、
誰でもやれるが自分にとっては初挑戦でハイレベル。なことをやろうというのが決め手。
(考えてみたら、私がやっている俳優業も踊ることも歌うことも誰でもできること。だな。とも思う。)

また、Action=パフォーマンスをしなければ。体をつかった作品をつくらねば。ととらわれていた。それ以外は自分にとって意味ない行動と無意識に決めつけていた。

今回のこの方法は、自分にとって必要な気がしつつ避けてきた、
「自分を言葉で表現して発表・発信・広報するのが苦手」
「日記など日々紡いでく積み重ねが意味を出すものが苦手(めんどくさがり、筆不精)」
にも取り組む。

さらに、自分のカン頼りにしか行動しないので、自分以外のものからのアプローチを受けいれることで固定観念をつくらないようにする。
ことも目的に、
・行先をなるべく自分のみの感覚に頼らない。
・自分の中のみで完結しないために、
1、アーティストがいる場合は話しかけ、さらに何か一つもらえないかお願いする。
2、なるべく誰かと行く。(一人行動が好きなので。ここも、あえて今までと違うやり方で)
とすることにした。

1に関しては、invisibleのあきおさんからのアイディアが原案。

最終的に展覧会をすることで終着点を設けて自分のしたことがなんだったのかまとめられるようにするためも兼ねる。

Actionが決まるまで

【まったく思いつかない】
11月18日 Relight Comittee第5回目 
actionの最初の素案提出。

1.アクションの概要
2.アクションの目的
3.イメージする場所・時間
4.誰に対してのアクションなのか、アクションの対象
5.そこに至る経緯・背景
6.なぜ自分でなくてはだめなのか

1~6はactionを考え発表するに当たり提示されたガイドライン。

「浮かばず書くことができません。」
という書き出しと共に、A4サイズ一枚にぺらっと書いて提出。
まず浮かばない理由として
・「アクション」とは自分にとって何か分からずにいる。
・二番煎じのアイディアしか思い浮かばないがそれをよしとするか。
・この数か月創作活動(仕事)に没頭しているため脳みそが働かない。
というような理由を述べた。

そして続けてそもそもRelight commiteeに応募した動機を改めて考えてみることにした。
・アートが社会に必要だと言える自信が欲しい。また、文章や言葉で自分の納得の元話せるようになりたい。
・一人でプロジェクトを企画実行したことがないためそれをアクションとしてやってみる?
大きくは以上二点。

そして最後の方に、ちょろっと、「アートをうさんくさいと思っている部分にスポットをあて、色々なアートの場へ足を運び考察する。」ことも視野にいれているがそんなアイディアともならないようなことでよいのかと思っていることを記した。

この時は、特に6の「なぜ自分でなくてはだめなのか」という問いに異様にもやもや。

【面談】
12月7日 invisibleオフィスでひろこさん、あきおさんを中心に面談。

学生の頃先生と面談をするときに感じていた「あーやだなー」という気分でのろのろ向かう。
宿題ができてないうしろめたさと、先生的な人に自分を掘られたくない抵抗感。
「だめな自分」と向き合わなければいけない時間。
これはありがたい良い機会なのですよと言い聞かせながら席に着く。ピンチをチャンスに!と変な気合を入れる。

面接でのメモ
・価値観
・「自分でなくてはだめ」→「自分だから」に置き換える
・「アーティストとして」できること→ex)アーティストとしてたくあんを漬けるには
・1分以内で考えてみる
・他者にゆだねてみる→場所・時間・テーマなど決めてもらうなど
・フレームを外す

印象に残っているのは宏子さんの「自分にしかできないって極論(究極?)子どもだよね。その子はりっちゃんと旦那さんの間にしか生まれてこなかった」というような話と、日頃どんなことをしたいと思っているかについての話の中で「どれも大きいね」。と言われたこと。
第5回Comitteeの時のゲスト二宮さんの、「小さい穴からその先に広がる大きな世界を見る」という考えを思い出す。
でもその小さいことこそセンスや強い意志って必要だよねと思いながら自分の苦手とする部分が見えてきた。

「自分でなくてはだめ」を「(今の)自分だから(やれること)」とすると大分違和感なくなりすっきり。

【とにかくやってみる】
12月16日 Relight Comittee第6回目 Actionのプレゼンテーション、一人15分。

まずい、まだなんにも決まってない。
それは正直に言うとして、ひとつ、Actionへ向けたActionとしてComitteeメンバーの日向君へ向けてパフォーマンスをすることに、行く途中決めた。
日向君の、「言語化すると安心する」というキーワードに対し、では言語化できないものを目の当りにしたらどういう感覚になるのだろう。と興味をひかれた。
のと、準備段階や自分の中で納得のいかないものを人に見られるのが苦手なので、
その場での実験的なことをするのに抵抗があるのだが、抵抗があることをやっていこう。
との思いがあった。
せっかくそういうことができる場なのだし。
パフォーマンスは、日向君のその日の朝の行動をだんだんダンス化する。というもの。
やってみて、内容に関してはあとからあとからああすれば良かったこうすれば良かった。となったが、
とにかく不出来なものでも途中段階のものでもやって見せてみる。という行為はやってよかった。
人は、こちらの思わぬところを見て反応してくれるのだなと感激したし、それを受けて私も思わぬ考え方が浮かんだりもした。

【やってみようその2】
2018年1月20日 Relight Comittee第7回 Actionプレゼンテーション 一人20分

まずい。まだなにも決められていない…。
室内さんからのメッセージは
「じっくり内容を詰められるのは実質最後になるかと思いますので、しっかり準備をしていただけますようお願いします!」
なのになにも準備ができていない。

ぐるぐる考えていたことは

・Relight Daysに向けて「生と死」をテーマになにか考えようか。
・やはりパフォーマンス作品をカウンターボイド前でやろうか(実現可かはともかく企画として)
たとえば倒れて起きるを限界までやり続けるとか。(原案は東京デスロックの作品から。多田淳之介氏と相談必要)
・いや、演劇やダンス(パフォーマンスタイプ)をするのは逃げ道じゃないか。封印!
・今訴えたいもの発信したいものがとんと見つからない。絞り出した無理やり感しかないなあ。
・自分にとってActionてなんだろう。(これは、Actionを考え始めてからずっと。)

というようなこと。
とにかく発表しなきゃなので、これじゃだめだろうとさくさく捨ててっていたものを一度出してみることにした。

企画A「あたらしいかぞく」 もしくは 「うまれなおす」
家族ってなんだろう?出自ってなんだろう?というテーマ。
また、いかに固定観念があるかの気づき、共有できることできないことがある気づきもねらい。
ワークショップ形式。
できれば初対面同士。たまたま居合わせた人。何人か(2人~6人)集まったら、
1、カードを一枚引く。父、母、兄、姉、弟、妹のいずれかが書いてある。
2、グループの代表者がカードを一枚引く。国名が書いてある。
3、その国のその家族のメンバーになりきって家族写真をとる。

企画B「指揮をする」
街中に指揮者台を置き雑踏の音や現象に集中して指揮をしてみる。
指揮をすることで世界をコントロールしている、もしくはコントロールできない気分になる。
見た人は、コントロールされている気分になる、もしくは指揮者が滑稽に見える。
(それともだんだん本当に演奏者が一人二人と増えていく?意味、意図が変わってくるが)

企画C「アートのうさんくささ」いスポットをあてたなにか。→思いつかない。

上記のうちAを実験的にRelightのメンバーでやらせてもうらうことにした。
どれも付け焼き場、思いつきで穴だらけの企画だが、前回の経験をいかし実験。

フィードバックの中から
あきおさん「思考の癖が見えて面白い」
→癖、そうか「思考の癖」ってあるのか。私の癖なんだろう。知りたい。
信念を持ちぶれないことは大切で独自の考えを構築したいが、「癖」となると、もしや考えを狭めてる?

あらぱいこと荒川さん「りっちゃんの伝えたいことに到達しない。そこまで思いをはせない」
→確かに。諸々詰めていない。あらぱいは、その人のやりたいことをつかんで足りないところを分かりやすく指摘したり、その人ならではの良いところを見つけるのがうまいなと感心。

【ひとつひとつ】
2018年2月7日 六本木カウンターボイド周辺

「やってみる」をCommitteeの場で2回したことで、どうも今回ワークショップではないな。と思う。誰かに何かを提示するよりもやはり自分に何かを課したいというのがまずひとつの結論。
あとはパフォーマンスをするか否か
一つ一つ確かめるために、カウンターボイド前で本当にActionとして何かやりたいか半日カウンターボイドの前にいることにしてみた。
そして、まだ捨てきれずにいる、展覧会へ行ってみるの実行として知人の紹介を読んで森美術館で開催されていたレアンドロ展へも足を運ぶ。

結果
カウンターボイド前でこんなことをしたら面白いなーやりたいなーというものは色々浮かんだ。
がしかしActionとして結びつかなかった。3月11日という日への何か意志も生まれない。

展覧会は、楽しかった。わりと空いてたこともあり、のんびりひとつひとつ触れることができ、また一人だったので他の来場者の感想が耳に入るところも面白かった。
(「いちいち社会派にしたいんだねー笑」とか)
そして、解説文が苦手と感じその解決法の発見もあった。
苦手な部分は、「ーーと想起させる」などの回答があると、見方を制限されているように感じたからだが、作品を見る前に読まなければいいのだときづき、そのあとは一つの視点としてありがたく読むことができた。
こんな風に作品を味わえる感覚になると楽しいなと思う。
電車が好きなので車窓からの映像作品が一番好きだった。

 

【背中を】
2018年2月12日 Relight Committee5日前 部活 六本木カウンターボイド周辺

この日はアクション内容について悩める有志が集まって話しましょうの会。
ここでも、やはり自分は
・人へ相談すること
・人に委ねること
・途中経過を晒すこと
が苦手なんだなと思う。なかなか言い出せない。
だがギチギチした気持ちでやはりうさんくささを払拭したい旨、そのために実際に足を運ぶことをアクションにしようか、でもこんなのアクションになるのかなと考えてることを話す。
室内さん「なると思いますよ」
はい。ありがとうございます!
室内さんは、いつでも直球で気持ち良い。
背中を押してもらいたかったずるさ甘えに後ろめたさを感じつつ、
結局やったことのないことをまず「いいとおもう」と肯定して欲しかったのだなと思う。
また、勝手に期待されていることを予想してやろうとする。という癖があることもわかった。

【決めた】
2018年2月17日 Relight Committee 第8回 Actionプレゼンテーション最終日

結局企画書は朝書くことになった。
これでいこうと決めたもののまだ自信がない。
とここで、「ああ、腑には落ちたんだな」
と思った。となると、自信がないのなんていつものことだ。

発表の時間。モゴモゴしながら、話す。
アイディアはふたつ。

①芸術祭や美術館などに足を運び記録をWEB上で発信。
②アートに対しての想いを100人に聞きWEB上で発信。

どちらかというと①だなと自分の中で決まってはいた。

発表の中では、「結局私自信アートが敷居の高いものと思っているところがある。」という自分の中では告白(なぜならアートを仕事にしてる身なので)や、「色々なアートと出会い自分がやる意味があるのか探りたい」というような自分にとっては言いづらいことを話した。

フィードバック
ひろこさん「カレンダーをつけたらいいと思うよ。いつどこで何があるのか。あとはOUT PUTの仕方をどうするか。かならず行った展覧会について娘と対話するとか」
→なるほど。カレンダーか。やってみよう。娘と対話するのはいいな。がしかし公にのせることは、彼女がOKかNGか選択できることではないので避けよう。

あきおさん「アーティストがいる場合は話しかける。ていうのがあるなら、何かもらうのはどうか」
→なーるーほーどーそれは面白い。けどこれってあきおさんのアイデアだよね?いいのだろうか。(自分側がよしとするかどうか)

江口さん「やり続けるのは難しいのでは。たいがい頓挫する。」
→そう言っていただくとやる気がわく。

まとめ

結局、今回Actionを考えるにあたり、答えはRelight Committeeのサイトに既に書かれていたことだった。

「ーーー実践的な力を身につけ、アートの持つ可能性を知り、自らの領域を切り開く力を育む人を増やしていきたいと考えています。」ーRelight Committeeサイトよりー

アートの持つ可能性を知り、自らの領域を切り開く。
そのための、Action。
今回は特に、「いつもの自分ならやらない」ことをやって行くことにした。
積み重ねて継続的に行うActionなので、途中様々な気づきや視点が生まれるだろう。
「アーティストのかけら」を採取し展示することに関しての展示方法、場所、日にちなどは、その中で考えて行きたい。
柔らかく、タフに、軽やかに、手放したり大事にしたりしながらやって行く。