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欲望の生と死

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松葉有香

1988年、神戸生まれ。幼少期の夢は漫画家、小説家。エンジニアの傍ら、文章やイラスト、音楽などのあらゆる手段で「表現」し「発信」することを好むクリエイター。左脳と右脳のバランスがいいらしい。並外れた行動力を武器に何でも挑戦し、自らの血肉とすることが趣味。最近バイオリンを習い始めた。自らの経験を発信することで他人に影響を与えられるのだと自覚したことから、もっと多くの人に「可能性」を伝えられる存在になりたいと思い、ライターとしての活動を本格始動。現在は「何かをハジメル」「自分をミツケル」手助けをする発信の土台を作るべく日々邁進中。数学教員免許、キロクニスト、編集女子、箱庭キュレーター。Twitter:@0tsuyu/Instagram:@otsuyu1025

★更新情報★ 2017.03.31 wakuwaku collectionの絵を公開しました

 

やりたいことを我慢していた。
なんとなく、レールにのってみた。

今まで歩んできた道をふりかえると、その節々に欲望の種がころがっていた。

いま、その種をひろいあげたら、未来はどうなっていくだろう?

わたしの欲望ってなんだろう?

考えてみたが、あまり思い浮かばなかった。
それは、大人になってから自分の欲望の種を拾い上げ続けたからだった。

その上で思いついた私の欲望は、このプロジェクトを実行することだった。

 

欲望は表面上じゃわからない

「私の欲望はこのプロジェクトを実行することです」と言われても、大抵の人は

ハ(゚Д゚)?

という顔をするだろう。イミワカンナイ。そりゃそうだ。

なぜなら真の欲望はもっと深い部分にあるからである。

 

つまるところ、私の欲望を掘り下げるとこうだ。

このプロジェクトを実行する=欲望を死から救うことで、ひとに可能性を伝えたい
それによって何か新しい行動が生まれたら、私はそこで満足するのだろう。

だから私は、この「欲望の生と死」というActionを実行する。

My Action


「欲望の生と死」は2つのActionで構成されている。

  • 自らの分析結果をぶちまける
  • 欲望の種をヒアリング

♪自らの分析結果をぶちまける

「それは、大人になってから自分の欲望の種を拾い上げ続けたからだった。」と先ほど書いたが、私は自分の過去を振り返ることによって自らの欲望とひとつひとつ向き合い、実際の行動に移していった。この行為によって私の人生は大きく変わった。世界が変わった。
だからこそ、この自分の欲望を分析する行為を公開するというアクションをとりたいと思う。この内容をぶちまけることによって、欲望を生かすためのハードルを下げ、1人でも多くの人がひとつでも多くの欲望と向き合い、それを叶える一歩を踏み出して欲しいと願う。

過去を見ると、思い出したくないこともあるかもしれない。辛い、悲しい、そんな過去も。
でもきっとそれも、何かしら欲望が絡んでいる。それが人間なのだから。

現時点ではまだ途中段階のこの絵だが、ゆっくりと完成させていきたい。

♪欲望の種をヒアリング

みんながみんな、その心の中に持つ欲望は同じではない。だが、「共感」という言葉があるように、似た欲望を持っている人はいる。もしかしたらまだ出逢っていない欲望もあるかもしれないし、もしかしたらとうの昔に置き去りにされた欲望もあるかもしれない。そんな欲望に出逢うために、たくさんの欲望の種を集めたいというのがこのアクションの主旨である。集めたたくさんの欲望を絵という形で可視化する、このアクションを私は「wakuwaku collection」と名付けた。ワクワクとは、それぞれ人によって定義は異なるかもしれないが、「楽しい」「心躍る」「好きな」こと・モノ=欲望の種だと思っている。これらを集めたら、見るだけでワクワクするんじゃないか?という期待を持っている。そしてその中から自分が共感するワクワクを見つけ、「あ、これ明日やってみよう」と思ってくれるだけで、私は満足だ。

wakuwaku collectionでは以下のような両面刷りの紙を使う。
このワクワクシート、ダウンロードはコチラから。

使い方は簡単。

オモテ面(左)の空白に自分のワクワクするモノ・コトを思う存分に書き出すだけだ。枠はあるが、もちろんはみだしてもいい。ありったけのワクワクを書き綴ることが大切である。そして、ある程度書き尽くしたら、最後に自分の中で一番のワクワクに○を付ける。複数ではなくひとつだけ考えるのと、たくさん考えた後に選ぶ一番は、必ずしも同じではない。案外、絞って絞って最後に出した1つが一番だったりする。ぜひ、自分の欲望との会話を楽しんで欲しい。

何を書けばいいの?と悩んだら、こんなことを考えてみてほしい。

  • 小さい頃の夢ってなんだっけ??
  • 昔何に憧れていただろう?
  • 未来にやりたいことは?
  • これだけは絶対にやりたいと思うことは?
  • 昨日何が楽しかったっけ?
  • 最近友達と何したかな?
  • いつもFacebookやInstagramにあげているものってなんだっけ?

きっとこの中に、ワクワクは潜んでいる。過去でもいい。未来でもいい。すべてひっくるめて、自分なのだから。

○を付けたら、オモテ面を写真に撮ってinstagramにハッシュタグ「#waku2collection」を付けてアップロードする。そうすると、様々な人の様々なワクワクがこのハッシュタグに集まることになる。それを眺めることで、新しいワクワクに気づくかもしれない。ワクワクが集まる場所が、ワクワクしないことは、ないだろう。

この紙はRelight Daysでも配布する。当日はその場で書いてもらい、その場で写真を撮る。書いた紙はぜひ持って帰ってもらいたいからだ。撮った写真はinstagram特設アカウントに先程のハッシュタグ付きでアップロードする。(顔などが映らないようにするので、その点は安心していただきたい)先程のハッシュタグで参加者各々のアカウントで投稿されたポストも、このアカウントでリポストする予定だ。

だが、「自分の欲望をinstagramで公開するのには勇気がいる」という声を聞いた。確かに、そうかもしれない。勇気がいることだ。しかし、自分の欲望を他人に見せることによって、実現に近づくことも多いにありうる。私自身経験した。1つは、公開することによって自分が欲望を叶えないといけないという義務感にかられ、それがうまい具合に機動力となること。1つは、他人が実現に近づけてくれるということ。周りに仲間を探している人がいるかもしれない。あなたへのプレゼントを悩んでいる人がいるかもしれない。そんな人達が、あなたの欲望を知った時。あなたはその実現に一歩近づく。
とはいえ、他人に見られることを意識して本音を書くことができなくなるのは、本来の目的からずれてしまう。どうしても、公開できない場合は、こちら「wakuwakucollection2017@gmail.com」まで写真を送ってほしい。その一歩も、大切な一歩だ。

こうして、ワクワク=欲望の種を集めていく。

そして次のステップでは、集まったワクワクを可視化する。様々なワクワクが詰まった1枚の絵を描くつもりだが、現時点、私もどのような絵になるか分からない。それは、このプロジェクトへの参加者のワクワクによって作られるから。2017年3月31日にこのページにて公開する予定だ。どのような絵になるのか、私自身ワクワクしている。

wakuwaku collectionの絵を公開!

2017年3月31日。wakuwaku collectionを可視化して公開するという約束の日である。絵の骨格ができたので、ここでお披露目とする。(1枚だと大きいため、2枚に分けている)
Relight Daysでは28人のワクワクが集まったので、それを表現した。

ただ、これはまだ完成ではない。
まだ色塗りが出来ていないからという理由も含まれるが、それだけではなく、いま集めている28のワクワクを描ききることがゴールではない、ということだ。私はこれからもこの活動を続けていきたいと思っている。だから今ある28をすべて描きあげても、完成ではない。永遠に完成しない、そんな絵でありたい。今後もこれをどんどん更新していくつもりだ。

 

これを描いていた時のエピソードを1つ紹介したい。

私はカフェでこの絵を描いていた。1つ1つみんなが選んだ1番のwakuwakuに向き合い、どのように表現しようかと。その時、隣の女性から声をかけられた。

「あなた、さっきから何しているの?」
「いろんな人のワクワクを集めて絵にしているんです」

いきなりそんな説明でよく分からなかったと思うが、それでも彼女はこう言ってくれた。

「すごいわねぇ。あなたの絵は、言葉に表せられないんだけれども、見ていてなんだか・・・心にくるものがあるわ。あなた絶対この道に進むべきよ。応援しているわ」

ワクワクを集めることによって、繋がった瞬間だ。この絵で誰かの心を動かせたら嬉しいと、そんな想いで描いていたのだが、図らずも公開する前に叶うこととなった。

「欲望の生と死」はこうして生まれた


プロジェクトを考え始めた時、最初から「欲望」という言葉があるわけではなかった。最初に出てきたのは2つの案だった。

  • 思考の生と死
  • モノの生と死

 

「思考の生と死」とは「○○できない」という言葉を生み出す「だって…」「でも…」という負の思考(死)を「できる」「やろう」という正の思考(生)に変えることを目的としたものである。これが後の「欲望の生と死」となる前身のアイデアだ。
「モノの生と死」とはモノを捨てること(死)に意味を持たせるために、モノを初めて手にした時(生)のエピソードを思い出すことを目的としている。

2つ出しては見たものの、やはり「思考の生と死」への思い入れが強いことに気づく。なぜこのアイデアが出たのだろう?と考えた時、その答えは私の過去にあった。

相手の変化が自分の喜びだと気づいた学生時代

昔から「教える」ことが好きだった。
綺麗なノートをとって見せる。友達が分からない所を分かりやすく伝える。そ
れによって、友人の顔が明るくなる、その瞬間が好きだった。

教育実習に行った時の記憶が今でも印象に残っている。
数学が嫌いでいつも寝ていた生徒が、数学の授業で手を挙げる。数学が嫌いだった生徒が、数学がちょっと好きになったと言う。

ちょっとのきっかけで、人は変わる。その無限の可能性に感じた時代だった。
だからこそ、もっとその可能性を見出す手伝いをしたいと、そう思った。

欲望の死が可能性を遠ざけると気づいた最近

社会人になり、様々な制約が見えるようになった。
長年の積み重ねで固く凝り固まった常識や、失敗への恐怖から隅っこに追いやられたからっぽの自信などのダークに彩られた障壁が多くの人に襲いかかっていた。
「無理だよ」と言う言葉をよく聞く。
大人になってから始めることははずかしいとか、もう遅いとか、そんな時間ないとか、私にはできないとか。
そうやって死んでしまった欲望が、人間の可能性を遠ざけてしまっていた。

欲望の生と死を目の当たりにして生まれた欲望

これらのエピソードを思い返した時、私がやりたいのはやはりこれなのだと思った。そこで私は「思考の生と死」を「欲望の生と死」に改め、このプロジェクトはスタートした。

wakuwaku collectionが生まれた経緯

Relight Daysで実施しようと決めたのは前回2/18のRelight Committeeの授業の最中だった。「N・S・ハルシャ展」について言及されたことがきっかけである。この展覧会の看板絵ともなっている「ここに演説をしに来て」という多種多様なキャラクターが1枚に描かれている作品を見た時、これだと思った。様々な欲望を1枚絵に表したら面白いんじゃないだろうか?
そのためにはたくさんの欲望を集める必要がある。ではどうやって集めるのか?そう考えたら、もう行動するしかなかった。Relight Daysがあるじゃないか、と。

私が一番伝えたいコト

ここまでして、私が何を言いたいのか。何を伝えたいのか。
それは、人生誰でもどの時点でも遅いなんてない。いつからだって何でも始めることができる、ということ。諦めるのはまだ早い。それを分かってほしかった。

だから、昔捨てた欲望をそっと拾い集めて、未来に解き放って欲しい。
それは何も悪いことではないから。それが人間の当たり前だから。
ここに私はそんな新しい常識を築きたいと、そう願う。