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心の声 祈り ここから新たに

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江口恭代

宮城県仙台市出身。南山短期大学英語科卒業後、東北学院大学文学部英文学科へ編入、卒業。再生医療の研究室、欧米の製薬会社数社を経て、現在は外資系IT企業にて秘書として勤務。東日本大震災をきっかけに名古屋市より東京へ上京。変わらない被災地、また故郷への思いを歌を通して伝えていきたいと願っています。

開催日:2017年3月11日(土)
・14:46~
・16:30~
場所:六本木周辺 けやき坂付近よりスタート、歩きながら歌うパフォーマンスとなります

私自身を語るのに、宮城県仙台市出身であることがこんなに大きな意味を持つことになるとは思いもよらなかった…生まれてから名古屋の短大に入学する迄の18年、母と過ごした大学編入時の2年。20年近くを仙台市で過ごしてきた。

東日本大震災が起きたあの日、私は父の故郷 愛知県名古屋市で働いていた。家族との思い出の場所が震災によって消えてしまったあの日、当時は日々の忙しさに流され、振り返ることもなく、前だけを見て憧れだった上京を果たした2012年1月。

あれから早5年。すべての業には時が来る、私が震災に向き合うタイミングが今、ようやく巡ってきたのかもしれない…

幼少時よりずっと音楽に親しんで来た。ピアノ、クラシックギター、コントラバスと肺活量の必要のない楽器ばかりをやってきた私が、なぜか歌に目覚める。声量は大きくはないが、歌を歌うことは昔から大好きだった。ソプラノ歌手 森麻季さんの「花は咲く」に心打たれ、その曲を歌いたい一心で東京二期会愛好家クラス、無謀にもジュリアード音楽院入学のコンクールにも、この曲でチャレンジした苦い経験もある。そう、度胸だけは一人前だった。

今度は、この曲で、持ち前の度胸を生かして、六本木という夜の街、都会の真ん中、一人でも多くの人に3月11日に起きたことをもう一度思い出し、今、生きているということ、東北へ思いを馳せる、そんな一瞬を生み出したい。

歌おうと決心した。そう決心した私には、心強くも愛らしい歌のパートナーが。彼女は大学生のインターンである。私とはひとまわり以上、年が離れているが、「共に歌いたい」と、今回一緒に歌うこととなった。

「花は咲く」を歌いながら、当日は六本木の街、人、空気や空、空間に沢山の祈りを込めて歌いたい。

江口 恭代