2015年にスタートしたRelight Projectは、未来の生き方や人間のあり方を考えるプラットフォームを目指すアートプロジェクトです。
現在は、東日本大震災を経て生きる私たち一人ひとりの心に問いと気付きを生み出すシンボルとして、東京・六本木にあるパブリックアート『Counter Void』を毎年3月11日〜13日の3日間限定で再点灯するRelight Daysの開催と、アーティストのヨーゼフ・ボイスが提唱した「社会彫刻」の概念をベースに「アートが持つ創造性や想像力を用いて、自らの生活や仕事に新たな価値をつくり続け、行動する人」を「社会彫刻家」と定義し、社会彫刻家の育成を行なう市民大学Relight Committeeの運営に取り組んでいます。
主催
特定非営利活動法人インビジブル
東京都
アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
本事業はアーツカウンシル東京の芸術文化創造・発信事業「東京アートポイント計画」の一環として実施しています。「東京アートポイント計画」は、地域・市民が参加するアートプロジェクトを通じて東京の多様な魅力を創造・発信することを目指しています。 https://www.artscouncil-tokyo.jp
Counter Void とは
Counter Void -光の壁-
この作品は、ネオンで3m20cmの数字を6個ならべた作品。
数字は9-1とカウントダウンし、0は表示されない。
そして、それが繰り返される。カウントダウンする数字のスピードはすべて違っている。
表示は、背景にもネオンを仕込み昼と夜で変える。 昼は白い壁にネオンの白い光で数字を表現し、夜は情景を反転させ、壁が白い光の地となり、数字が黒く表示されるように設計されている。
過剰な「生」が渦巻く都市、東京。六本木はその中心。
過剰な「情報」が渦巻くメデイア、日本。テレビ局はその中心。
昼の情景
新しい六本木ヒルズは、夜だけでなく昼間の顔を持つようになる。
もともと過剰な「生」が息づく六本木に、更に加速度をつけた「過剰な生」を上塗りする。
過剰な情報発信基地であるテレビ局に、更に加速度をつけた「過剰な光」を上塗りすること。
それは、「生」と「光」のホワイトホールと化し、「より深い死」を想うキッカケを提供するだろう。
夜の情景。
六本木は、もともと夜の街。
過剰な「生」は夜にこそ花開く。
その夜に、あえて、「死」を持ち込むこと。
また、情報発信基地に「闇」を持ち込むこと。
それは、「死」と「闇」のブラック・ホールを生み出し、「より深い生」を考えるキッカケを提供するだろう。
昼と夜。情景のダイナミズム。
交互に繰り広げられる「死」と「生」の豊潤なドラマ。
それは変化しつづけながら、通りすがりに見る人々によって、その人々が感じ、考えることによってのみ完成し続けられるだろう。
2002年4月
宮島達男
宮島達男『Counter Void』2003年 / テレビ朝日所蔵作品